土曜日, 7月 30, 2011

3Dの幻想

 猫も杓子も3Dに飛びついていましたが、少しほとぼりが冷めてきたようです。3Dのテレビがそれほど売れてません。NINTENDO 3DSも失速してしまい、早くも大幅な値下げに追い込まれています。3Dカメラというものも販売されておりますが、あまりぱっとしません。

 これには2つ理由が挙げられています。一つは、不便で見にくいこと(メガネが必要であったり、見るポイントが限定される)、もうひとつはコンテンツが貧弱であることです。
 しかし私はもうひとつ理由があると思います。あまり指摘されてないのですが、現状の3Dというのは、本当の3Dにはなってないことです。本当の3Dは今現在このブログを読んで頂いている方々の置かれている環境です。大半の方が両方の眼で回りの景色をご覧になっていると思いますが、それだけが3D効果を生んでいるわけではないのです。試しにご自分の頭を動かして見てください。前景と背景の位置関係が変わります。ビルの正面からビルを見ると側面は見られませんが、体を動かせば側面が見られます。これも3Dにとっては重要なファクターなのです。

 しかし、現在の3D映像は、頭を動かしても状況は変わりません。それは固定したカメラ2台で映像を記録しているからです。

 つまり似非3Dであるわけです。人間の3D感覚というのは2眼視だけで成り立っているのではないのです。

 技術というのは、作り手の勝手な思い込みで突っ走ってしまうことが結構多いのですが、その典型的な現れではないかと思います。

 そしてもっと大事なことは、消費者がそれほど3Dであることに執着してないということではないかと思います。

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