水曜日, 3月 16, 2011

思いでが無くなってしまった

 今もテレビで延々と東北関東大震災のニュースが流れています。今回、震災で被災された方には本当に何と申し上げてよいのか、心が痛みます。昨日、テレビにニュースで一人の老人が『子供も孫も無くしてしまった。写真一枚残ってない。思いでが無くなってしまった』と涙を流しておられるのを目にし、もし傍に居たらなんと声をかけて良いのか本当に悲しい思いをしました。家族、家、家財・・・全てを無くした方にとってせめて写真一枚でもあればとは思うですが、ガレキの山と化した被災地の中でそれを探すことなど出来るはずがありません。

 とにかく、一日も早い復興を祈るばかりです。

月曜日, 3月 07, 2011

呼び覚まし

 古い写真には、昔の姿が裏に隠れています。色あせてしまった写真にもかすかな痕跡は残っているものです。中には、痕跡も殆ど残ってないような写真もありますが、9割以上は残っています。

 そのかすかな痕跡を頼りに写真の復元を行うのですが、それが本当に正しいかどうかは別として、蘇った色というのは、忘れかけていた記憶を呼び覚ましてくれるものです。古い写真をそのまま見ているのも勿論それはそれで良いのですが、色が復元できた時は、『そうそう、こういう色だったんだよ!』という、上手く言えませんが後出しじゃんけん的な言葉が口をついて出てきます。

 つまり、もし復元しなかったら思い出すことはなかった色に巡り合えるということです。失われた記憶を取り戻すことができるのです。

 着ていた服の色、カバンの色・・・今はもう手元にないものの色は、実は写真と一緒に記憶になかで色あせていたのです。