土曜日, 1月 25, 2014

望ましいEVF(電子ビューファインダー)

 前回に引き続き、EVF(電子ビューファインダー)のことを書きます。現在のEVFは撮像素子で撮った画像をそのまま表示しているだけです。光学ファインダーは、ミラーやレンズを使ってはいるものの、基本は人間の目です。一番大きな違いは、明るさの範囲をどこまで許容しているかということです。例えば、周りが暗くて真ん中だけが明るい被写体を覗いたとします。人間の目には、暗い部分もそこそこ見ることができ(勿論程度にもよります)、しかも明るい部分もちゃんと見えます。一方、カメラの画像はどうでしょうか?明るい部分がちゃんと見えるようにすると、周りの暗い部分は真っ暗になります(つぶれてしまう)。周りの暗い部分が少しでもなにが写っているかを見極めるように設定すると、真ん中の明るい部分が飽和してしまいます(飛んでしまう)。
 最近カメラには部分的に露出を補正する機能があり、明るい背景で人物の写真を撮った時などに顔の部分の露出を増やし、顔が真っ暗にならないような機能があります。しかし、それは撮った写真の結果であって、ビューファインダーで見ている時は機能しません。
 人間の目のような機能をビューファインダー(実際には、カメラのセンサーと画像処理エンジン)に入れないと、人間の目の代わりになるビューファインダーは実現できません。ディスプレイでは、アップルがレチーナディスプレイと称していますが、レチーナは網膜ですから、本来ディスプレイに使うのは正しい表現ではありません。本当のレチーナビューファインダーが出てきてほしいのですが、そのためには、人間の目の構造をもっと知って取り組んでほしいと思います。

水曜日, 1月 08, 2014

現状の電子ビューファインダーEVFの問題点

 前回EVF(電子ビューファインダー)について書きましたが、現状の電子ビューファインダーはまだまだ未熟という感じです。問題点はいくつかあります。

 第一に、精細度が不足しているという点です。光学的なファインダーで見た場合はかなり細かい部分まで見ることができて、フォーカスも十分に確認できます。しかし、EVFは本当に細かいところがなんとなくごまかされてしまっているような感じです。それに、画像にしっとり感が無いのも気になります。解像度のせいかギトギトしているものもあります。

 第二に、応答が悪いことです。液晶画面でのライブビューと同じですから、撮像素子のレートの影響もあると思いますが、カメラを横方向に動かすと応答の遅さが目立ちます。購入される際には、横に動かして確認することをお薦めします。

 第三に色あいが違っていることです。これはカメラで被写体を写した時にも同じことが言えるのですが、撮ってしまったものを後から見て色合いが違うと判断するのは結構難しいことですが、現実に目の前にある景色や被写体が、EVFを通して見ると違って見えるのですから、どうしても気になってしまいます。

 第四に、覗いた瞬間に真っ暗になっていることがあるということです。これは機種にも依るようですが、一瞬一眼でキャップが付いているのかと思ってしまうことがあります。覗いた時にEVFを動作させるという機能のようですが、余りにも応答が悪いのでしょう。

 第五に、これは前回に書いたことと重複しますが、カメラの撮像素子の画像をそのままEVFに流せばよいという発想が間違っていると思います。撮像素子の出力を使うのは当然でしょうが、それをもう少し肉眼で見た画像に近づけるように工夫をしてほしいということです。これについては、また別途書くことにします。

   何れにしても、現在のEVFはどのメーカの製品も相当問題があります。ミラーレスで、EVFなしで液晶パネルのみというのは、私は使う気になりませんが、EVFを搭載するのであれば、もう少しまともなEVFを搭載してほしいと思います。今のEVFは液晶画面をファインダーでのぞけるようにしただけです。