木曜日, 9月 27, 2012

カメラのISO感度、推奨露光指数、標準出力感度

 デジカメのISO感度ほど当てにならないものはありません。なぜかというと、定義が甘いからです。業界団体が作った定義ですから、当然なのかもしれません。どういう点が甘いかというと、ノイズとの関係が定義されてないからです。出力レベルだけで定義していますから、デジカメの場合電気的な利得(ゲイン)を上げてやればいくらでも感度が上がってしまうのです。しかし、実際には高い感度で撮影するとノイズが多くて非常に汚い写真になってしまいます。 

 カメラの仕様には標準出力感度とか推奨露光指数という項目があります。最近は昔のカメラに比較して1ケタ大きな感度が記載されております。標準出力感度25600という数値を持ったカメラが販売されるようになりました。センサーそのものは基本原理は変わっていません。それどころか、画素数がますます増えてきて、1画素の面積がどんどん小さくなっているのに、感度がどんどん上がっているのです。普通に考えれば感度はどんどん悪くなるはずです。

 感度の向上は画像処理エンジンと呼ばれる半導体チップの性能向上に負うところが大きいようです。しかし、上でも述べたようにノイズとの関係が曖昧ですので、高い数値を提示するメーカもあれば、比較的に慎重な数値を出すメーカもあります。ですから、結局あてにならないのです。HPなどで見かけるサンプル写真を見ても、大半のメーカは感度100当たりで撮ったサンプルしか出していません。25600という数値提示しているカメラでも25600で撮ったサンプルは出していません。出していないということは、多分とても出せる代物ではないと解釈していますが、せめてノイズの量(SN比)位は数値で出して欲しいものです。

 下に、5つのメーカの今年発表されたカメラ(一眼)の感度の比較を示します。このグラフは、各カメラISO感度最高値を1画素の面積で割った値です。単位面積当たりの感度ということです。どのカメラも基本はフォトダイオードがセンサーになっていますから、それほど大きく変わるものではないはずです。ABCDEはメーカ毎の値です。D社はケタ違いに大きな値を提示しています。D社を除いても、4倍程度のバラツキがあります。もっとも控え目なのはC社です。ISO感度の数値が一段で2倍(例えば3200の次が6400という具合)違いますから、2倍のバラツキは仕方がありません。それにしてもメーカでこれだけ差があるというのは驚きです。

 上でも述べたようにセンサーの原理は基本的にどこも同じです。従ってセンサーそのものはどのメーカでも同じ感度と言っていいと思います。あとは画像処理エンジンの能力ということになりますが、それもそんなに極端に差が付くはずがありません。ですから、私は現在は大きい数値を出すメーカは正直ではないメーカと解釈しております。
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