土曜日, 7月 17, 2010

マン・レイ展

 昨日、マン・レイ展をみてまいりました。マン・レイという人、写真家と呼ばれるよりも、画家で評価されたいとずっと思っていたそうです。ですから、展示物も写真よりも、ドローイングなとの方が多いように思いました。写真も、自分の作品を記録するという目的で撮っていたようです。


 最終的には、画家としての評価も得られたようですが、私は写真の方が気に入っています。とくに、芸術家を中心としたいろいろな人のポートレイトはとても印象的です。当時、1920年代で人物を正面から撮らないようなポートレイトを撮る人はあまりいなかったのではないでしょうか。

 画家としてのマン・レイは写真の中に絵画を取り入れたのではないでしょうか。感心したのは、光を本当に上手く使っていることです。被写体の人物の特徴を一番よく引き出しているといってもよいのかもしれません。画家としては、ダダイズムやシュールレアリズムに傾倒していたようですが、ポートレイトはそれとはまったく無縁といってよいほどのものであり、シュールとは対極にあるような写真だと思います。芸術作品というより、ビジネスとして考えていたのかもしれません。

 逆に、絵画の方はあまり印象に残ってないのです。もともとの絵を描く才能は、若いころの素描などをみるとすごいものがあると感じましたが、その後は抽象画が多く、私はあまり引きつけるものを感じることはありませんでした。私は絵を見るときは、最初に色使いを見てしまいますので、多種多様な色を使ったマン・レイの作品に魅力を感じなかったのかも知れません。

 もっと多くの写真を見たかったのですが、そう感じさせること自体がマン・レイの生涯を表現しているようにも思いました。

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