月曜日, 11月 09, 2009

写真のデータ化を行い始めた理由その3

 私の持っている写真には、大正時代に写された写真もあります。その写真は、ひどく汚れ、セピア色に色あせ、しかも、ものによっては消えてしまいそうなほどにコントラストがなくなっている写真が多く含まれています。銀塩写真ですから、銀が析出してしまって、白っぽく光っているものも多くあります。

 写真というのは、この世に生まれてせいぜい100年程度です。一般の家庭に普及しだしたのは、それこそ大正時代以降ではないでしょうか。もちろん、当初は、写真屋さんがうつした写真が大半ですから、品質としては結構良いものが多いということはあります。しかし、その保存という意味では大げさな言い方をすれば、写真がこの世に生まれてきて、人々が初めて経験していることなのです。

 一つは、プリントそのものの保存技術。間違いなく劣化していく運命にある写真を今後どう保存するかということです。写真の保存法については、あまりこれと言った方法が確立しているわけではないのです。好ましいと思える方法は提案されておりますが、それとて本当に正しいのかわかりません。何しろ実績がないのですから。それに、提案されている方法は、普通に一般家庭で所有されている写真を保存するための方法ではありません。プロが写した高価な写真の保存方法でしかないのです。それ以上に、写真が現像された時の条件によっても左右されるようです。ついでですが、ネガならちゃんと保存できているとお考えの方が結構多いのですが、私の経験では、よほど意識して保存しておいたものでなければ、プリント以上に悲惨な状況になっています。

 その唯一の解が、データ化(デジタル化)でした。そして、劣化した写真を少しでも復元した上で保存できればと思ったのです。データとして保存することができれば、原本もそれなりによいと思われる方法で保存することができるわけです。これが、私が写真のデータ化を手掛けるようになった3番目の理由です。

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