土曜日, 10月 25, 2014

アポカリプス

 昔の白黒写真(動画)を着色する試みが行われている。最初に行われたのが、フランスのテレビ番組、アポカリプスであったそうだ。最近では、HNKで昔の東京の画像を着色して放送していた。色を付けることにより、対象物が明確になったり、奥行きが出てきたりする。写真の色の復元をやってきて、同じようなことを良く実感する。私がやっているのは着色ではないが、色あせた写真も白黒写真同様に、ポイントがはっきりしなくなり、被写体の奥行きもなくなってしまう。なにより、色あせたカラー写真はカラー写真というよりも白黒写真を見ているのとさほど違いがない。
 何れにしても、白黒をカラーにするというのは、画像の迫力が違い、つい見入ってしまう。反面、本来持っていない色を付けるというのは、原理的には無理なことであるため、調査や類推で着色をせざるを得ない。いくら技術が発達しても100%色情報の無い画像の色を復元することはできない。従って、言い方は悪いが、ウソが入ってしまう危険性も高い。ウソによって人の心が大きく動かされるとしたら、それはそれで問題である。
 やはり白黒の写真は、白黒で見るのが筋ではないのだろうか。せめて、既知の事実に基づいて判っている色だけ着色し、判らない部分は白黒のままにするというのが見識のように思う。

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