日曜日, 2月 03, 2013

ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 写真展

 横浜美術館で開かれているロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家という写真展を見てきました。改めて、ロバート・キャパという人のすごさを感じました。単に、危険な場所に行って命を張って写真を撮るということではなく、必ずそこには人が居て、その人の気持ちや、置かれている状況を、一枚の写真の中に一瞬にして切り取ってしまうというすごさです。しかもその人を如何にも人間的なやさしい眼差しで捉えているのです。

 とにかく、人を撮ることに徹しています。写真展の写真の中に人が写ってないものは多分なかったのではないかと思います。そして、上でも述べたようにその人と一緒にその人が置かれている状況を表すものを必ずと言っていいほど一緒にフレームの中にある時は大仰に、ある時はさりげなく入れ込んでしまいます。それは、写真を撮る技術やテクニックということではないと思います。そういうものはあまり感じられません。数少ないポートレートの中にはそれらしきものもありますが、大半は、そういう小賢しいものとは無縁であることを感じさせます。そして、なによりも見る人を写真がひとりでに語り出しているような錯覚に陥れてしまいます。

 カメラやレンズにしても、当時は今とは比べようもない程制約のあった時代ですから、その中で、これだけの密度の濃い作品をたくさん残せたというのは、本当にすごいとしか言いようがないのです。

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